日中関係悪化でホテル株が急落からのREITを買い増し

日中関係悪化でホテル株が急落からのREITを買い増し

昨日から今日にかけて、市場がざわついています。 高市総理の発言に対し中国政府が抗議しており、その影響でインバウンド関連銘柄、特にホテル株が大きく売られる展開となりました。

市場はかなり悲観的になっているようですが、私はこの下落を「もしかすると売られすぎ(オーバーシュート)かもしれない」と捉え、あえてJ-REIT(ホテル系)を少し買い増ししてみました。

もちろん、この判断が裏目に出る可能性も十分あります。ただ、自分なりに現状と過去のデータを整理し、「リスクに見合う」だと判断したプロセスを、備忘録として残しておきます。

1. 何が起きているのか(現状の整理)

まず、株価急落の背景ですが、報道によれば中国政府から日本への「渡航自粛」の呼びかけ(特に留学生や団体旅行向けとの情報も)があったようです。

重要なのは、現時点では「渡航禁止(ビザ発給停止など)」という強制力のある措置までは至っていないという点です。 しかし、株式市場にはアルゴリズム取引も多いため、「中国」「日中関係悪化」といったネガティブなニュースヘッドラインに反応して、機械的に売り注文が膨らんだ可能性も否定できません。

2. 「2012年の尖閣国有化」を参考にしてみる

ここで少し冷静になるために、過去の似たような事例として「2012年9月の尖閣諸島国有化」当時の状況を思い出してみました。当時は日中関係が戦後最悪レベルまで冷え込み、激しいデモも起きました。

では、その時、訪日中国人は「ゼロ」になったのでしょうか? 日本政府観光局(JNTO)の統計データを確認すると、当時の中国からの訪日客数は、国有化直後の2012年10月〜12月にかけて前年同月比で約33%〜44%の減少となっていました。

つまり、かなり大きな打撃ではありましたが、ビジネス客や個人旅行客(FIT)の往来までは完全には止まらず、「半分以上は維持されていた」という事実は参考になります。

3. 「総崩れにはならない」と考えた理由

この過去のデータを踏まえ、「最悪でも他国・国内需要がカバーしてくれるのではないか」というシナリオを立てました。

  • 中国は「2位」: 現在の訪日客数のトップは韓国であり、中国は2番手。
  • 他国も好調: 台湾や欧米など、中国以外の国からの客足はが遠のく理由がない。

仮に2012年同様に中国からの客足が3〜4割減ったとしても、それはインバウンド全体から見れば数%〜10%未満の影響に留まる計算になります。韓国や他国の需要が底堅い以上、ホテル業界全体が「総崩れ(壊滅的な稼働率低下)」になる可能性は低いのではないか、と考えました。

4. 結論:不確実性を承知でリスクテイク

市場は「最悪のケース」を懸念しているようですが、私は「構造的な調整の範囲内かもしれない」という、やや楽観的なシナリオに賭けてみることにしました。

そう考えると、今の株価水準は「2ヶ月前くらいの価格」まで戻っており、悪くないように見えました。

もちろん、ここからさらに政治的な対立が激化し、本当にビザ停止などの措置が取られれば、このシナリオは崩れます。ただ、「アルゴリズムや恐怖感で過剰に売られているならチャンス」という逆張り的な発想で、今回はポジションを取ってみました。

まとめ

  • 渡航禁止ではなく自粛要請レベルであれば、人の流れはゼロにはならないはず。
  • JNTOのデータ(2012年)を見ても、最悪期で3〜4割減で踏みとどまっていた。
  • 中国以外の韓国・台湾・その他の国が好調なため、全体としては致命傷にならないと予測。

この「不確実性」をどう評価するかは人それぞれですが、私はこのようなロジックで動いてみました。 結果がどう出るかはまだ分かりませんが、これからの推移を冷静に見守っていこうと思います。

コメントは受け付けていません。