「自分の分かるビジネス」に集中したら、日本株ポートフォリオの資産の6割が不動産(REIT)になった理由
私の投資の中核は、S&P500やNASDAQといったインデックスファンドです。これらを通じて、市場を席巻するAIや半導体トレンドの恩恵を享受しています。
このブログで扱っているのは、インデックス投資を「補完」するための、個別株・アクティブ運用のポートフォリオです。
この枠での私のポリシーは「自分の能力の輪(Circle of Competence)の中で戦うこと」。
現在のポートフォリオは資産の6割が不動産(REIT)という「歪(いびつ)な構成」になっていますが、そこには「なぜ今、あえてテック個別株に行かないのか」という明確な理由と、次に見据える課題があります。
1. 最新ポートフォリオ(個別・アクティブ枠)
現在の保有銘柄と構成比率は以下の通りです。
【資産構成比率】
- 個別株(小売・IT・サービス):約 37%
- 不動産(J-REIT):約 63%
| コード | 銘柄名 | 業種 | 構成比率 | 備考 |
| 1343 | NF J-REIT | リート | 38.1% | 東証REIT指数連動(セクター投資) |
| 8985 | ジャパン・ホテル・リート | リート | 25.1% | ホテル特化型(物件が見える) |
| 3349 | コスモス薬品 | 小売 | 16.0% | 九州地盤ドラッグストア |
| 7683 | ダブルエー | 小売 | 5.6% | 婦人靴SPA・AI管理 |
| 2303 | ドーン | IT | 5.1% | 地理情報システム(GIS) |
| 3382 | セブン&アイHD | 小売 | 4.5% | コンビニ・再編期待 |
| 4732 | USS | サービス | 3.6% | 中古車オークション |
| 3835 | eBASE | IT | 1.9% | 商品DBソフト |
2. なぜ今、半導体・電子部品の「個別株」を持たないのか
世間では「AI時代の覇者」として、半導体銘柄や、それを支える日本の電子部品・電材メーカー(TDK、村田製作所など)が大きな注目を集めています。「AIサーバーには日本のコンデンサや積層セラミックが不可欠だ」というプレゼンテーションも数多く耳にします。
しかし、私はあえてこの分野の「個別株」には手を出していません。その理由は、私自身の「解像度の低さ」にあります。
- 表面的な理解: 「AIに関連している」「すごい技術らしい」ということは分かります。
- 欠けている視点: しかし、「その部品がAIのどこに使われていて、競合に対してどれほど支配的(代替不可能)なのか」までは、自信を持って説明できません。
「有望らしい」という空気感だけで投資するのは、私のポリシーに反します。どこでどう使われているか、そのビジネスの堀の深さを腹落ちするまで理解できていないため、現状はテック系への投資はインデックス(NASDAQ等)に任せるという判断をしています。
一方で、現在保有している個別株(小売・IT)は、「どうやって儲けているか」「技術的優位性は何か」が明確に見えている銘柄に絞り込んでいます。
3. なぜ資産の6割が「不動産(REIT)」なのか?
テック個別株への投資を保留している分、資金の向かう先は「割安」かつ「理解できる」対象となります。それが現在の不動産(J-REIT)への偏重(約63%)に繋がっています。
① 市場の歪みを突く「NF J-REIT」(インデックス)
日経平均が歴史的高値にある一方、J-REIT市場は出遅れており、NAV倍率(純資産倍率)で見ても明らかに割安と判断しています。「株式に対して割安に放置されている不動産セクター全体」への投資として、ETFを大きく組み入れています。
② ビジネスが見える「ジャパン・ホテル・リート」(個別)
こちらは個別選定です。ホテルリートは物件や稼働状況が可視化しやすく、「インバウンド需要」という成長ドライバーも明確です。「中身が理解できる」かつ「割安」という条件を満たしているため、主力として保有しています。
4. これからの課題:解像度を高め、不動産から「テック個別株」へ
現状は「分からないテック」を避け、「割安な不動産」で守りを固めていますが、これを最終形にするつもりはありません。今後は以下のステップでポートフォリオを進化させていくことを課題としています。
① REITの利益確定
現在保有している伊豆の実物不動産やREITについて、市場の歪みが是正され、適正価格に戻ったタイミングで確実に利益確定を行います。
② テック・素材産業の「解像度」を高める
利益確定した資金の移動先として、これまで手を出せなかった「半導体・電子部品・電材」の個別株をターゲットにします。
これからの私の課題は、単に株を買うことではなく、「例えば、レーザーテックや村田製作所といった企業が、AIサプライチェーンのどこで、どれほどの支配権を持っているのか」を徹底的にリサーチすることです。
まとめ
「現在はインデックスでテックの波に乗りつつ、個別枠では『理解できる不動産』で利益を積み上げる。そして次のフェーズでは、その資金を使って、解像度を高めた『日本のテック・素材企業』への個別投資に挑戦する」
これが、私の投資戦略の現在地と、これから取り組むべきアクションプランです。
免責事項
本記事は筆者個人の投資方針を述べたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任で行ってください。