結局、「自分の能力の輪」を守ったら、資産の6割が不動産(REIT)になっていた。
私の投資のコアが、S&P500やNASDAQといったインデックスファンドであることは変わりません。これらを通じて、市場を席巻するAIや半導体トレンドの恩恵は十分に享受できています。
ただ、このブログの主題である「個別株・アクティブ運用枠」に関しては、少し様子が異なります。
私のポリシーは、バフェットの言う「能力の輪(Circle of Competence)」の中で戦うこと。つまり、自分がビジネスモデルを腹落ちするまで理解できている企業にしか投資しない、というルールです。
この規律を忠実に守った結果、現在のポートフォリオは資産の6割が不動産(REIT)という、いささか歪(いびつ)な構成になりました。
なぜ今、あえてテック個別株に行かず、不動産に偏っているのか。その「意図的な偏り」について整理しておきます。
1. ポートフォリオの現状:極端な「守り」の陣形
現在の個別株枠の構成比率は以下の通りです。
- 不動産(J-REIT):約 63%
- 個別株(小売・IT・サービス):約 37%
ご覧の通り、過半数が不動産です。 「AI革命の時代に、なぜそんな枯れたセクターを?」と思われるかもしれません。しかし、これには消去法的な理由があります。
2. なぜ今、半導体・電子部品に手を出さないのか
世間では半導体や、それを支える日本の電子部品メーカー(TDK、村田製作所など)が「AI時代の覇者」としてもてはやされています。
もちろん、私もその有望性を疑っているわけではありません。しかし、私はあえてこの分野の「個別株」には手を出していません。理由はシンプルで、私自身の「解像度が足りないから」です。
「AIサーバーには日本の積層セラミックコンデンサが不可欠だ」 なるほど、ロジックは分かります。
しかし、「では、その部品が競合他社と比較して技術的にどう優位で、AIサプライチェーンの中でどの程度の価格決定権を持てるのか?」と問われた時、私は自信を持って即答できません。
「なんとなく凄そう」という空気感だけで大切なお金を投じるのは、投資ではなく投機です。 分からないものには手を出さない。機会損失を恐れて自分の規律(能力の輪)を破るくらいなら、指をくわえて見ている方を選びます。
3. 消去法としての「不動産(REIT)」
テック株への投資を「保留(ペンディング)」にした結果、行き場を失った資金が向かった先。それが「割安」かつ「構造が理解できる」不動産セクターでした。
① 市場の歪みを拾う「NF J-REIT」
日経平均が高値を追う中、J-REIT市場は不当なほど放置されています。NAV倍率(純資産倍率)で見ても明らかに割安。「株式市場に見捨てられている間に、現物を安く買い集める」という発想で、インデックス(ETF)を大きく組み入れています。
② ビジネスが見える「ジャパン・ホテル・リート」
こちらは個別選定です。ホテルというビジネスはシンプルです。客室単価と稼働率、そしてインバウンド需要。これらは私の生活実感の範囲内で理解でき、数字も追えます。「中身が見える箱」が割安なら、買う合理性があります。
4. 次のフェーズへの「助走」期間
誤解していただきたくないのは、私が「不動産こそが最強だ」と考えているわけではない、という点です。
現状はあくまで、「分からないテックを高値掴みするリスク」を回避し、「理解できる不動産」に資金を退避させているフェーズに過ぎません。
私の次なる課題は明確です。 今保有しているREITが適正価格に戻り、利益確定をする時までに、テック・素材産業への「解像度」を高めておくことです。
単に株価チャートを眺めるのではなく、例えばレーザーテックのような企業が、半導体製造工程の「どこ」を握り、なぜ「代替不可能」なのか。それをエンジニア視点で徹底的にリサーチし、自分の「能力の輪」をそこまで広げること。
今はインデックスでAI相場に追従しつつ、個別枠では不動産からの配当(家賃)を受け取り、静かに牙を研ぐ期間だと割り切っています。
これが、今の私の戦略です。退屈に見えるかもしれませんが、投資において「退屈さ」は、しばしば「規律」の別の呼び名でもあります。